立山アート&クラフト 越中瀬戸陶芸家 加藤聡明さん

立山町に関わりがある芸術家や職人を、多くの方にご紹介したい。そこで今回から「立山アート&クラフト」を始めたいと思います。

 

第一回目でご紹介するのは、越中瀬戸焼陶芸家「四郎八窯」加藤聡明さん。私が住む立山町新瀬戸地区は、名前が示すように伝統的な陶芸の里でもあります。以前にもご紹介しましたが、ここ新瀬戸地区には陶芸の体験施設「陶の里・陶農館」が、地区のシンボル的な存在になっています。

陶芸体験施設 陶農館
陶芸体験施設 陶農館

 

「越中瀬戸焼」は文禄・慶長年間に、加賀藩主の前田利長尾張国瀬戸より陶工、彦右衛門と小二郎を招いて焼かせたのが始まりといわれています。藩の御用窯として栄え、越中国随一の陶器産地として名を馳せ、最盛期には20-30近くの窯場があったといいます。そしてこの地は、尾張の陶芸産地「瀬戸」に因み、産地一帯が瀬戸村と名付けられました。

 

ただその後、藩の支援がなくなり、大正年間に遂に廃絶されることになりました。しかし昭和12年になって地元の有志らの手によって廃窯となっていた窯場を研究、昭和22年に釈永庄次郎氏が庄楽窯を開窯し、再興に漕ぎ着けました。「四郎八窯」は復興した窯元のひとつです

子供達に説明する加藤さん
子供達に説明する加藤さん

 この陶農館で体験教室の講師もつとめる加藤さん。私がお伺いした日は、富山市の幼稚園の園児達がお皿作りの体験教室にいらっしゃっていました。まずは加藤さんが、園児全員の前で、分かりやすく作り方を説明し、手本を見せます。加藤さんが粘土から形をつくっていくところを、子供達が真剣な目で見ています。

 

説明の後、子供達は一斉に席に戻り、楽しそうに粘土と格闘をしていました。一時間ほどで、先生の補助のもと全員がお皿の形をつくることができました。子供達の作品はここで焼かれ、一ヶ月後には幼稚園に届けられるそうです。

お皿をつくる幼稚園の子供達
お皿をつくる幼稚園の子供達

 加藤さんはここ新瀬戸地区出身で、実家が瓦屋でした。17歳のときに金沢に陶芸の修行に出て、25歳のとき結婚を機に地元に帰ってきて工房を持ちました。

 

それから25年以上の歳月を、ここ立山の里山で陶芸家として作品を作ってこられています。修行時代を含めると33年を超える月日を、陶芸というものに打ち込んできました。 

 

 

そんな加藤さんに、「陶芸を続けてきたのはなぜですか」とお聞きすると、

 

「一生目指しているものを追っている。一生掛けて作り上げたい陶器ものがあるから続けられる」

 

 というお答えでした。いったいその目指しているものは何なのだろうとお聞きすると、

 

「昔のもの。ここで取れた土を使い、自然の釉薬を使い、ここで焼く。過去の時代に作られていたもの。ただ7080%は技術だけど、後は火によるものだから」

加藤さんの作品、釉薬が立山に見える
加藤さんの作品、釉薬が立山に見える

 

新しいものではなく、過去のものを再現したいという視点。効率や技術の完成度ではなく、人間が制御できない火という力による作品。自然のものに限りなく近づきたいという姿勢。

 

現代までの日本社会が目指してきたものと、まったく対極を追及する加藤さんと陶芸の世界に圧倒される気がしました。

 

みなさん、この陶芸という奥深い世界に触れに、ここ立山の陶農館にいらっしゃいませんか?

 

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コメント: 1
  • #1

    Derrick (日曜日, 22 7月 2012 21:10)

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